2004年に僕が書いた新聞コラムを紹介する企画。
4回目となる今回は、「京都パープルサンガ」をテーマとする記事です。11年前に書いた記事であるため内容が古いですが、興味のある方は読んで下さい。
新・京まち模様
地域に根付くクラブの原点へ
2003年の元旦に、天皇杯優勝という日本一のタイトルに輝いた京都パープルサンガ。しかしその慢心からか、当時の中心選手だった朴智星が移籍した後の補強がなかったり、監督も次々に交代したりするなどフロントの場当たり的な対策が目立った。加えてけが人が続出し、それをカバーしきれない選手層の薄さからリーグ戦は終始、下位から抜け出せず、J2降格が決定。迷走するサンガの姿に、サポーターも少しずつ離れていくこととなった。
そもそもJリーグには「Jリーグ百年構想」といった理想がある。クラブが地域に深く根付いたホームタウン制を基本とし、住民がトップレベルのサッカーとふれあえるよう、時間をかけてスタジアム施設をはじめ周辺を整備するというもの。
Jリーグ発足から10年、京都ではサポーターがチームを支え、選手と一体となるスポーツ文化が、まだまだ不十分だと思う。Jリーグの理念に一番近いといわれるアルビレックス新潟や鹿島アントラーズなど他クラブに比べて、スタジアムに訪れ、熱い想いを選手に発信するサポーターが少ないのかもしれない。
とはいえ最近では、スポーツを観戦する上で、新しい楽しみ方も京都に広がっている。それは、店内にプロジェクターやプラズマビジョンなどを設置し、周囲の人々と共にスポーツを観戦するカフェ&バーが支持を得ていることだ。仲間と一緒に同じチームを応援するという一体感は、スタジアムで味わう臨場感を疑似体験でき、「次は実際に観戦してみたい」という思いに発展することだろう。
京都に密着したスポーツ文化を築くには、サンガのJ1復帰が必要不可欠だ。今シーズンはオフに主力選手の慰留や積極的な補強で戦力を整えた。チームが魅力ある戦いで勝ち進んでいけば、市内外から西京極スタジアムに足を運ぶサポーターが多くなり、さらなる街の活性化につながるに違いない。
記事は2004年2月27日のものです。
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