2004年に僕が書いた新聞コラムを紹介する企画。
5回目となる最終回は、「北山」をテーマとする記事です。
11年前に書いた記事であるため内容が古いですが、興味のある方は読んで下さい。
新・京まち模様
「白く」変わりつつある街、北山
学生のころ、あこがれの街だった北山。四条の繁華街の雰囲気とは違う、高級感がある街の薫りに惹かれて、学校帰りによく歩いた。街の象徴といえるセレクトショップや料理番組に取り上げられたレストラン、有名な建築家がデザインしたというスタイリッシュなビルに店を構える雑貨店。当時二十歳そこそこだった私には常に背伸びしていく店があり、「いつかここに住みたい」と思わせる街だった。
地下鉄が国際会館前まで延長してからの北山は、まるで都市開発が一段落したかのように、やや勢いに陰りが見られるが、一方で、ウエディングの舞台として再び注目されている。松ヶ崎界隈には、今年で十周年を迎える教会を中心に、次々とブライダル向けのチャーチが誕生しているのだ。さらに、ドレスショップや二次会に利用できるレストランなども充実。結婚に関することはすべてこの通りで済ませることができ、まさにウエディングストリートと呼ぶにふさわしい。
美しく舗装され街路樹が植えられた北山通りには、植物園に代表されるように、緑色のイメージがある。しかし、ブライダル関連の建物が増加している近ごろは、白色のイメージも合わせ持つ通りになったといえるだろう。
ジューンブライドのこの季節に、北山通りを歩くと、フラワーシャワーに見送られる新郎新婦の姿を見ることも多い。先日も運良く二組のブライダルシーンを見ることができた。教会は見学だけでも親切に対応してくれるので、結婚を控えているカップルは気軽に訪れてみてはどうだろうか。色とりどりの花で飾られた教会の崇高な雰囲気に、式への期待が一層高まるに違いない。男性の私が見学しても、ウエディングに対して羨望と憧憬を持つようになったのだから。
背伸びして歩いていた時と違い、愛する人と一緒に肩を並べて歩きたいと思うようになった北山。私にとってこの通りは、これからも「あこがれの街」であり続けるのだろう。
記事は2004年6月25日のものです。
店舗などの情報は大幅に変更している場合がありますので注意して下さい。