仕事用にA3複合機は必要か?
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主に子どもの写真を印刷するエプソンのA4プリンタは持っていました。ですが、編集者の業務には〈出力した用紙に赤入れし、それをスキャンしてデザイナーに送る〉という作業が必ず発生してきます。紙で指示書を手書きするアナログ作業も多く、プリンタが必要になるのです。特にA4見開きの出力ができるA3サイズの複合機が。
日常の業務に必要なA3複合機。ただし場所を取るだけでなく、初期費用はもちろんランニングコストもバカになりません。インクジェットの複合機で3万円から。レーザーの複合機はもっと高いです。出力に特化したレーザープリンタで5万円から、といったところでしょうか。インクジェットはインクが詰まったり、インクがすぐ切れたりするのが不安。レーザーはトナー1本1万円ぐらいするので、カラー印刷するたびに、コストが気になってしまいます。在宅ワーカーや個人事業主は固定費用をなるだけ落としたいもの。導入を悩む人もいるのではないでしょうか。
コストがどうしても気になった僕は、導入をいったんあきらめ、コンビニのネットワークプリントを活用することにしたのです。紙ものはこれで対応できますが、困ったのはA3サイズの原稿の赤入れと、そのスキャン。コンビニで出力したものを持ち帰って赤入れし、再びコンビニへ行ってスキャンするなんて面倒です。徒歩数分の距離でもイヤですよね。僕は変則朝型というか、朝の1時、2時に起きて(世間では夜ともいいます)、子どもを起こす7時まで作業するので、そんな時間にコンビニへ外出するのもイヤなんです。自宅の作業場に大きな複合機がほしくなります。
さて、複合機をどうするか。安くなってきているとはいえ3万円以上しますし、ランニングコストも気になります。貧乏性かもしれませんが、大盤振舞できる身分じゃありません。だって、新しいモニタもほしいし、モチベーションが上がるような新しいMacもほしい…。ん?まてよ、もしかしたらiPad ProとApplePencilがあれば、校正紙をわざわざ出力して赤ペンで書き込むことなく、指示が入れられるのかも。しかも自宅で作業したり、実家で作業したり、カフェで作業したり、出向先で作業したりと、ノマドワーカーのような働き方をする僕は、常にプリンタがある環境とは言えないし…。「そうだ、iPadにしよう」。どこかで聞いたようなコピーですが、iPadに決めました。9.7インチの32GB(Wi-Fiモデル)なら6万円ほどで購入可能。インクジェットのA3複合機を買うより割高ですが、作業場所を選ばないのがポイントです!
これ、ブログで以前かきました。iPadなら、簡単に作業できるので、編集者には必須のツールですね。それと、アプリを入れたら外部モニタ&外部トラックパッドやキーボードとしても使えるので、重宝すること請け合いです。ペーパーレスとまではいかないですが、プリンタをそれほど使わずに作業できました。
少し長くなりましたが、ここからが本題。iPadを活用し、プリンタレスの環境で今日までやってこれましたが、最近気になるのは、原寸大で原稿が確認できないこと。これ、編集者やエディトリアルデザイナーにとってはあまりよくないといえます。文字が多い誌面デザインは、読みやすいQ数・行間・全体のバランスなどを随時確認したいので、やっぱり原寸大でないと。コンビニまで行くのは面倒くさい。9.7インチiPadでは表示サイズが少し小さくなる。簡単に文字の拡大ができるのは便利だけど、実際の文字の大きさがわからなくなるのです。近ごろインタビュー形式の本や不動産関係の仕事をする機会が増えたのを機に、A3複合機の導入を決めました。
レーザーかインクジェット、どちらにするか。本音はレーザーです。細かい文字も潰れないし、鮮明なので。仕事で使うならレーザー。でも電気代が高く、複合機は高すぎて買えない。重くて設置が困難で、かつ修理も高い。よって候補から脱落。インクジェットに決めました。細かい文字は少し心配ですが、電気屋さんでサンプルをチェックしたところ、結構読めます。というか、これで十分。発色もぼちぼちよさそう。電気代もレーザーに比べたら格安ですし、ハードも3万円からとリーズナブル。うん、これならいいや。
インクジェットのA3複合機を販売しているのは、ブラザー・エプソン・ヒューレットパッカードの3社。その内、ヒューレットパッカードはちょっとゴツい。幅60cm超あるため、設置予定のラックに収まりません。残るはエプソンとブラザー。プリンタはエプソンのイメージがありましたが、ブラザーもあなどれません。ビジネス向けインクジェットA3複合機のカテゴリーを最初に発売したのはブラザーのようです。エプソンのPX-M5041Fか、ブラザーのMFC-J6973CDWか。それぞれ特長はありますが、気になったのはインクの種類。PX-M5041Fは4色すべて顔料インク。にじみにくいので、マーカーを引いたり赤字を入れたりと、いろいろと便利そう。一方、ブラザーは黒のみ顔料で、残りのシアン・マゼンダ・イエローは染料インク。黒だけではなく、色文字を出力することも多いので、その点はマイナス。では、エプソンに決定!…ということでもなく、PX-M5041Fの発売時期が2014年というのがネック。そろそろ新しい機種が出るのかもしれません。ちなみにネットでは故障が多いやら、かすれるやら、紙が詰まるやら、決して評価はよくないです。自分で使ってみないことには何とも言えませんが、どうせなら不具合を改善した新機種を買いたいところ。発売時期が1年ほど新しいブラザーのMFC-J6973CDWは? これもPX-M5041Fと同様にさまざまな意見がネットに書かれています。よい点よりも悪いところが。エプソンか、ブラザーか。非常に悩みました。そんな折、ブラザーより新しい機種が発表されたとのニュースが。しかも4色顔料インク! 2017年2月発売! これで吹っ切れました。ブラザーの新機種に決定です。
新シリーズのラインナップは、最上位から「MFC-J6995CDW」「MFC-J6980CDW」「MFC-J6580CDW」の3機種です。ポイントは、インク代のコストカット、耐久性アップ、出力の待ち時間短縮。そして前述の通り、4色すべて顔料インク。新たな多目的トレイ。最上位機種はポストスクリプト対応というのが素晴らしいところ。ポストスクリプトに対応しているあたり、完全にプロ狙いです。正確な発色で校正紙を出せると思います。Y100%のデータを送れば必ずY100%で出力されます。ポストスクリプト非対応のプリンタなら、CMYKで設定しているデータでも、一度RGBに変換され、さらにCMYKに変換するプロセスになるので、Y100%のデータでも、CやMが混ざってしまいます。プロならば、ポストスクリプト対応のプリンタが必須。ただ、それなりに価格が高いのと、今回僕が求めているのは校正刷りではなく、あくまで確認程度。色はモニタでチェックしますし、クライアントに出力紙を持参・発送するケースって、最近はほぼありません。あったとしても、そんなときは印刷会社の色校正を提出します。となれば、トレイが2段の「MFC-J6980CDW」か、1段「MFC-J6580CDW」の2択。基本A4を利用し、たまにA3や封筒に出力するという使い方であれば、多目的トレイでまかなえそう。新機種の中で最も安い「MFC-J6580CDW」にしました。
近くの電機店へ足を運ぶと、4万円強で販売されていましたが、価格交渉&ポイントを利用して、実質3万円で購入できました。コストパフォーマンスはばっちり。スチールラックに設置して、最初の1枚(テキストのみ)を出力してみると、あっという間。これ、1枚ものならレーザーより早いです! ウォームアップが不要なので、Macのプリントボタンを押して、プリンターにデータが届くと「しゃっ」と出力されます。4、5秒くらい。ちょうどカタログ値と同じくらいの早さです。A4・A3・封筒などに何枚か出力しましたが、紙詰まりもなく、ゆがみやズレもありません。ADFを使ったスキャンも早い。スキャンしたデータはEvernoteやドロップボックスに直接アップできることができ、これも便利です。若干、オンラインサービスにつながるまでに時間がかかりますが、特に支障はないですね。新機種にはショートカットキーがあるので、お気に入りの設定も登録しておけます。
レーザーよりもサイズがコンパクトで低消費電力。1段トレイなので圧迫感もないですし、インクのコストも安い。プリントとスキャンがスピーディでクラウドサービスとの連携もあり、使い勝手に優れていますね。耐久性は使い続けないとわかりませんが、ほかの面が想像以上によいため、期待できそうです。しばらく使用していないとプリンタがスリープしますが、Macのプリントボタンを押すと、すぐに復帰してくれるのもうれしいところ。在宅ワーカーやフリーランスの方、小規模の事務所を経営されている方、A3サイズをあきらめていた方。ブラザーの新機種がおすすめですよ!
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