データが完成したら、さぁ入稿! と、その前にもうひと仕事。データチェックをきちんとしましょう。
データに不備があると再入稿しなくてはいけなかったり、納期の遅延につながったり。修正を印刷会社にまかせると仕上がりが違う!なんてことも。入稿前はなにかと忙しいですが、デザイン完成→即入稿とは思わずに、入稿前の確認時間も予定に入れておくのが理想です。
データチェックに時間をかける
価格が安いオンライン印刷が増えている昨今。データの点検作業を行わないところもあります。トラブルを抱えたまま印刷ということのないように、制作サイドでデータチェックが必要です。入稿データの不備によるトラブルは、制作される人の自己責任が原則ですから。データチェックは念入りに!
出力見本は必ず添付
入稿時にはデータとともにプリンターで出力した見本をつけるのが原則です。デザイナーと印刷会社では出力環境が違いますからね。出力紙をつけない場合でも、入稿データの中に印刷見本PDFもしくはスクリーンショットを添付しましょう。
入稿前チェック項目 9箇条
1.印刷サイズは合っていますか?
サイズを間違って入稿される人って、意外と多いんです。特に女性誌は幅は230mmだったり、235mmだったり。天地が297mmだったり、287mmだったり。入稿前に必ずチェックしましょう。
2.塗り足しは3mm(媒体によっては4mm)で作っていますか?
商業印刷の基本です。断裁時にズレることがあるので要注意。基本は3mmですが、媒体によっては4mmのところもあります。
3.配置している画像はCMYKですか?
商業印刷において、画像データはCMYKの4色に分解するのが鉄則。ですが、最近は出力のRIP側で自動変換され、分解が必要ないケースもあります。事前に確認しておきましょう。
4.リンク画像は添付されていますか?
リンク切れになっている場合は印刷できません。結構多いのが、画像ファイル名に機種依存文字を使用し、印刷会社がデータを開いたときにファイル名が化けてリンク切れになってしまったというトラブル。リンク画像は英数小文字にするのがベターですね。
5.指定フォント以外はアウトラインをかけましたか?
たいていの印刷会社はモリサワパスポートに入っていますので、モリサワフォントは大丈夫です。それ以外はアウトライン化した方が無難。入稿前に印刷会社もしくは掲載媒体に確認しましょう。
6.使用アプリ名とバージョン名を記入しましたか?
バージョンはきちんと明記しましょう。基本的に使用したアプリのネイティブデータがベター。Illustratorで下位保存をすると思わぬトラブルがあることも。
7.ドキュメントのラスタライズ効果設定は高解像度ですか?
Illustratorのみの項目です。メニューバーの「効果」「ドキュメントのラスタライズ効果設定」で、スクリーン(72)、標準(150)、高解像度(300)、カスタムの4つより選べます。スクリーンだとドロップシャドウや透明効果がキレイに印刷されません。デフォルト設定の解像度を変えておくのがいいしょうです。
8.カスタムスプレッドの分割設定は適切ですか?
InDesignのみの項目です。ページパネルメニューの「ページ属性」「スプレッドの単層化」より確認できます。先ほどのIllustrator同様、透明効果を美しく印刷したいという場合は「ラスタライズとベクトルのバランス」を100に変更しましょう。
9.出力見本PDFはつけましたか?
出力見本PDFで検版されます。トラブル防止のために必ず添付!
いかがでしたでしょうか? 制作物や印刷会社よってはチェックする項目が増減しますが、基本となることなので覚えておいてくださいね。InDesignで入稿される場合は「プリフライト」で簡単チェックができます。画像の縦横比やカラーモード、解像度不足画像などがすぐにわかるので、ぜひ使用して下さい。